🩸 血液ガス分析基礎学習

看護学生のための分かりやすい血液ガス入門

🎯 なぜ血液ガス分析を学ぶの?

🚨血液ガス分析は「体の緊急信号」を読み取るスキル

🏥 実際の現場では...

患者さんの体の中で何が起きているかを「数値」で知ることができます!

  • 😵 意識がもうろうとしている:血液が酸性に傾いている?
  • 😮‍💨 息が苦しそう:酸素が足りない?CO2がたまっている?
  • 🤢 吐き気や嘔吐:電解質のバランスが崩れている?

🏊血液ガス分析は「体のプール管理」

🏊‍♀️ プールの水質管理に例えると...

体の中の血液は、まるで「プールの水」のようなものです:

  • 🧪 pH(ペーハー) → プールの酸性・アルカリ性
  • 💨 CO2(二酸化炭素) → プールの泡(肺から出す)
  • 🧂 HCO3-(重炭酸) → プールの安定剤(腎臓が調整)
  • 💨 O2(酸素) → プールの新鮮な水(肺から入る)

⚖️なぜバランスが大切?

🎯 生命維持の基本!

体の状態 プール例え 患者さんの症状
正常(pH 7.35-7.45) 🟢 きれいな水質 元気で安定
酸性(pH <7.35) 🟡 酸性の水 だるい、息苦しい
アルカリ性(pH >7.45) 🟡 アルカリの水 手足のしびれ、けいれん
重篤(pH <7.20 or >7.60) 🔴 危険な水質 生命に危険

🏊 体のプール管理システム

🫁肺:「換気システム」

🌬️ プールのジャグジー装置のようなもの

肺は体のプールの「泡出し&新鮮な水入れ」を担当:

  • 💨 息を吸う → 新鮮な酸素をプールに入れる
  • 💨 息を吐く → 古いCO2をプールから出す
  • 素早い調整 → 数分で効果が出る
  • 🚨 緊急対応 → 息苦しいときに自動で速く呼吸

🫘腎臓:「フィルターシステム」

🧹 プールの浄化装置のようなもの

腎臓は体のプールの「水質安定化」を担当:

  • 🧂 HCO3-を調整 → プールの安定剤を増減
  • 💧 余分な酸を捨てる → 要らないものを尿で排出
  • 🐌 ゆっくり調整 → 3-5日かけて効果が出る
  • 🔄 持続的な管理 → 24時間働き続ける

⚖️体の自動調整システム

🎮 まるでゲームの自動制御!

📊 酸性に傾いたとき:
1️⃣ 肺が「緊急対応!」→ 呼吸を深く・速くしてCO2排出
2️⃣ 腎臓が「長期対策!」→ HCO3-を増やして中和

📊 アルカリ性に傾いたとき:
1️⃣ 肺が「調整開始!」→ 呼吸をゆっくりしてCO2を保持
2️⃣ 腎臓が「バランス調整!」→ HCO3-を減らして中和

📊 血液ガス数値の見方

📏正常値を覚えよう!

pH(ペーハー)
7.35 - 7.45
体の酸性・アルカリ性
PaCO₂
35 - 45 Torr
肺からの二酸化炭素
HCO₃⁻
22 - 26 mEq/L
腎臓からの重炭酸
PaO₂
80 - 100 Torr
血液中の酸素

🎯3ステップで分析しよう

🚦 信号機のように順番に見る!

🟢 ステップ1:pH確認
• pH < 7.35 → 🔴 酸血症(体が酸性)
• pH > 7.45 → 🔵 アルカリ血症(体がアルカリ性)

🟡 ステップ2:原因を探る
• CO₂が原因? → 🫁 呼吸性の問題
• HCO₃⁻が原因? → 🫘 代謝性の問題

🟣 ステップ3:代償をチェック
• 体が自動修正してる?
• 完全に直った?部分的?

🧠ROME記憶法

📝 覚えやすい法則!

問題の種類 覚え方 具体例
呼吸性(Respiratory) 🔄 Opposite(逆方向) pH↓なら、CO₂↑
代謝性(Metabolic) ➡️ Equal(同方向) pH↓なら、HCO₃⁻↓

🔍 血液ガス分析シミュレータ

🧪数値を入力して分析してみよう!

💡練習用の例題

🎯 これらの数値で試してみて!

🏥 よく出る疾患パターン

🫁 COPD(慢性閉塞性肺疾患)

「肺のフィルターが詰まった状態」

pH: 7.32-7.38(酸性寄り) CO₂: 50-70 Torr(高い) HCO₃⁻: 28-35 mEq/L(腎臓が代償)

💡 たばこで肺が傷んで、CO₂が出にくくなった状態。腎臓が3-5日かけて調整。

🍯 糖尿病性ケトアシドーシス

「血糖値が高すぎて体が酸性に」

pH: 7.15-7.25(強い酸性) CO₂: 20-30 Torr(呼吸で代償) HCO₃⁻: 8-15 mEq/L(低い)

💡 深く大きな呼吸(Kussmaul呼吸)で必死にCO₂を出そうとしている。

😰 過換気症候群

「不安で息を吸いすぎた状態」

pH: 7.45-7.55(アルカリ性) CO₂: 20-30 Torr(低い) HCO₃⁻: 22-26 mEq/L(正常)

💡 紙袋で再呼吸させてCO₂を戻す。手足のしびれが特徴的。

🫘 腎不全

「腎臓のフィルターが故障」

pH: 7.25-7.35(酸性) CO₂: 30-35 Torr(呼吸で代償) HCO₃⁻: 15-20 mEq/L(低い)

💡 腎臓が酸を捨てられず、HCO₃⁻も作れない。透析が必要になることも。

🤮 嘔吐による電解質異常

「胃酸を吐いてアルカリ性に」

pH: 7.45-7.55(アルカリ性) CO₂: 45-50 Torr(やや高め) HCO₃⁻: 28-35 mEq/L(高い)

💡 胃酸(酸性)を吐くことで、体がアルカリ性に傾く。水分補給が重要。

🎪 練習問題にチャレンジ!

🧮血液ガス分析の練習

問題1:基本的な判定

pH 7.32, PaCO₂ 58 Torr, HCO₃⁻ 28 mEq/L

この血液ガス所見の解釈として正しいのは?





問題2:緊急度判定

以下のうち、最も緊急対応を要する血液ガス所見はどれか?





問題3:疾患推定

不安発作の患者で pH 7.52, PaCO₂ 28 Torr, HCO₃⁻ 23 mEq/L

この患者への適切な看護介入は?





🎯 危険値を覚えよう!

パラメータ 危険値 対応
pH <7.20 または >7.60 🚨 即座に医師報告
PaO₂ <60 Torr 🫁 酸素投与検討
PaCO₂ >70 Torr(pH<7.30時) 🚨 換気サポート検討